乱樹(らんじゅ)の香り
兵庫の感触に、すぐにとろけさせられる。

脳味噌も、神経も、多分身体も全開でとろけだす。

「タカちゃん、今日は熱くない」

「いつも熱あるわけでは」

「…タカちゃん、死ぬ。酸欠」

「あのね、鼻で息しなさい」

そうか。

鼻っていう、呼吸器があったことを忘れていた。

しかし

これって、彼女にもしてるんだな。

思うと、かなりくやしい。

けれど『彼女がいたってかまわない』っていうのが、あたしの立場なんだな。


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