恋しぶきプラス〜先生が描いた夢〜




俺は後ろから莉央に尋ねた。




驚いて顔を俺に向ける莉央。




その顔は、江藤に怯えているようにも見えた。





「ほら、頑張れ!」





俺は、莉央のリュックを押した。




たちまち莉央はさっきまでとは違うスムーズさで岩場を登った。






そうして、俺が莉央のことばかり構っていると…




「渡先生。私、こんな遅いペースだと、調子狂っちゃいそうですぅー。」




江藤が甘いわがままな声を俺に向って発した。




こんな時に…、、、




今は江藤のわがままよりも、必死に登ろうとする莉央を助けるのが先だ。





< 162 / 334 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop