恋しぶきプラス〜先生が描いた夢〜
俺は後ろから莉央に尋ねた。
驚いて顔を俺に向ける莉央。
その顔は、江藤に怯えているようにも見えた。
「ほら、頑張れ!」
俺は、莉央のリュックを押した。
たちまち莉央はさっきまでとは違うスムーズさで岩場を登った。
そうして、俺が莉央のことばかり構っていると…
「渡先生。私、こんな遅いペースだと、調子狂っちゃいそうですぅー。」
江藤が甘いわがままな声を俺に向って発した。
こんな時に…、、、
今は江藤のわがままよりも、必死に登ろうとする莉央を助けるのが先だ。