恋しぶきプラス〜先生が描いた夢〜
・高山病
まだまだ7合目の途中。
先は長いというのに…
莉央のペースが完全に遅れ始めた。
「だったら…、先生と都築さんが先頭歩いたらどうですか?」
7合目にはいくつかの休憩所がある。
その一つの休憩所で休憩を取って、俺は森田に莉央の様子を話した。
「…そうだな。じゃあ森田、もしまた遅れそうなやつがいたら、頼むな。」
「分かりました。任せて下さい。」
こうして、俺達と森田達の登る順番を入れ替えることとなった。
森田の笑顔に少し安心して、俺はペットボトルの水を飲んでいた莉央のところに戻った。
「俺と莉央が先頭歩くから。」
俺の言葉に、莉央は少し驚いたようだった。