恋しぶきプラス〜先生が描いた夢〜
act04:小さな疑惑
・『莉央』
俺は…ついに言ってしまった。
「莉央!」
いつも心の中で呼んでいた彼女の名前。
つい、口を滑らせて実際に呼んでしまった。
梅雨も近付いてきたある日のプール。
俺が教えている1年生3人共、どうにか泳ぎの形ができてきたから
『全力で25mを10本』
という、かなり無茶な特訓を課している途中のことだった。
やっと全員半分の5本が終わったところで、とりあえず休憩させようと思ったら…
莉央がいない。