幻視痛

綺麗な外見に見とれ、口の悪さに驚き


そのギャップについていけず、俺は出てけと言われても、ただぼーっとしているしかなかった。


『おい、聞いてんのか??………って、お前もしかして新入生??』


不意に向こうが問いかけてきたから、俺はやっと止まっていた思考回路を動かす事が出来た。


『あ、はい。本当は今入学式なんですけど、寝坊しちゃって…それで式終わるまでどこかで寝てようかと思って…ここに…。』


しどろもどろになりながらも、俺は必死に答えた。


なんかこの人先輩っぽいなー…。
多分そうだろうけど、今日って先輩も登校する日なのか??


『ふーん。新入生ねぇ。』


そう言うと、相手は俺の頭のてっぺんから足のつま先を、舐めるようにジロジロ見てきた。


『なんだ。じゃあ、私と同じか。』


『あ、そうなんですか!………って、えぇぇ!?新入生!?』


『なんだよ。悪いかよ。』


ぎろりと睨みつけられ、俺は一度口にチャックをした。


これ以上何か喋ると、ぶん殴られそうだ。


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