幻視痛

『座れば。』


『え??』


女の子は自分の横にあった鞄とかをどかすと、そこを指さしそう言ってきた。


『どうせ式終わるまで暇なんだろ??だったらここにいればいいじゃん。』


出てけって言ったり座れって言ったり、訳わからない子だな…。


こんな事、口が避けても言えないけど。


『はい…。じゃあ、お邪魔します。』


まるで家に上がるように言うと、俺は緊張からか姿勢を正し正座をして座った。


それにしても…。


改めてみると、外見は本当に綺麗だ。


体つきは華奢だし、横から見るとまつげが凄く長いのがわかる。


鼻も高く、外人見たいな顔をしている。


もしかしてモデルかなんかか??


『さっきから、なにジロジロ見てんだよ。』


喋らなければ完璧なのに…。


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