幻視痛
俺は小さく溜め息をついてから、改めて教室内を見渡した。
今はこんな感じだけど、これから皆と仲良くなって、放課後一緒に遊んだりするんだよなぁ。
そんな事を考えると、少しわくわくしてくる。
『なぁ、お前もしかして佐倉圭一??』
いきなり名前を呼ばれて、ふと前を見ると見たことない奴が前に立っている。
『そうだけど…。』
『やっぱり!!久しぶりだな。覚えてるか??小学校一緒だった、神崎湊だよ!!』
『かんざき…みなと…??』
名前を聞いて、昔の記憶を辿る。
『もしかして、小学校卒業と同時に引っ越した、あの湊!?』
『そうだよ!!圭一久しぶりだなぁ!!』