幻視痛

思い出した。


小学校六年間、ずっと同じクラスで放課後は毎日遊んでいた、俺の大切な親友。


中学も一緒だと思ってたけど、卒業と同時に他県へ引っ越しちゃって、それから連絡さえまともに取っていなかった。


『湊、お前こっちに戻ってきてたのか??』


『中学卒業と同時にね。また引っ越しかよって思ったけど、前住んでたとこだし、喜んで帰ってきたよ。』


そう言うと、あの頃より少し大人になった顔をくしゃっと笑顔にした。


『またよろしくな。湊。』


言いながら、俺達は再会の握手を交わした。


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