幻視痛

ジリリリリッッッー…。


けたたましく鳴る目覚ましを乱暴に止めると、まだだるさの残る体をゆっくりと起こした。


『………っ。』


起きると同時に酷い頭痛。


ベッドの横のテーブルを見ると、数十本のビールの空き缶と、二本のワインの空ボトル。


記憶なんてあるわけがない。


あるのは頭痛と吐き気だけ。


一人でどんだけ飲んだんだよ…。
そんな事を考えたら、今度は軽い寒気がしてきた。


2009年9月5日


毎年この時期は、俺の古傷が疼く。


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