幻視痛

『へー。近くで見るとまぢで可愛いな。』


当たり前だが、湊はそんな梨音の変化に気付くこともなく、梨音の可愛さに驚いている。


きっと今の梨音は猫をかぶっている。
なんでそうしてるかは知らないけど、本当の梨音を知ったら、湊はぶっ飛ぶくらい驚きそうだ。


『俺、神崎湊。圭一とは小学校の頃からの親友なんだ。よろしく。』


『そうなんですかぁ。私は工藤梨音。圭一君とはさっき友達になったばかりで。こちらこそ、よろしくね。』


見たことのない梨音を目の前にして、俺はただ口をぽかんと開けるしかなかった。


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