幻視痛

いつの間にか梨音は足を組んで座っていた。


………俺の机に。
もぅ、何も言うまい…。

『なぁ、圭一。』


『え!?あ、なに??』


突然話しかけるもんだから、ちょっと焦って返事をしてしまった。


どうも梨音の前だと調子が狂ってしまう。


『そんなにどもんなよ。お前の親さぁ、今日来た??』


『来たって…入学式に??』


俺が聞き返すと、梨音は静かに頷いた。

< 23 / 32 >

この作品をシェア

pagetop