運命の黒い糸
デートコースは“夜の海”。
ここなら誰にも見つからないし、誰にも邪魔されない。

『ねぇ…アタシは一樹にとって何なのさ?』
『えっ…』
『彼女ぃるのに…こんなコト許されるわけないょ』
『だよね…』
『だよね…ぢゃなくて答えてよ!!』
『そんなに簡単に答えられるわけねーだろ』
『どぅせ一時の気の迷いなんでしょ?』
『そんなんぢゃねーよ』

一樹は、それ以上は何も言わなかった。
その代わりにミリの手をギュッと握った。
きっとそれが一樹の応えなんだと思う。
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