運命の黒い糸
一樹に会った時、思い切って聞いてみた。

『この前は誕生日祝ってくれて嬉しかった。でさぁ…』

思わず言葉につまる。
一樹はアタシが何を言いたいか分かっているようだ。

『どうした?』

『やっぱいいや』

さっきまであった勢いも本人を目の前にしたら、シュワシュワと音を立てて小さくなった。こぅゆう時、自分の小心者さが憎らしい。

『誕生日のコト聞きたいんだろ。』

何故バレたのだろう。
一樹には隠し事は出来ないなぁと実感する。

『何で分かったの…』

『お前分かりやすいもん』
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