君じゃないとダメなんだ


「サクと別れてよ。」

ダンッと
下駄箱を蹴るゆかりの友達。


…直球でぶつかってきた。

でも…


「…何でゆかりじゃないわけ?」

「はぁっ?」

「別れてほしいとか
何でアンタが言うわけ?
好きなのはゆかりじゃないのっ?!」

ビクッとするゆかりの友達。

大きく響き渡るわたしの声。

ゆかりは必ずいるはず

だから伝えなきゃ…。


「ゆかりが
ここにいんなら言うけど
わたし…マジで別れる気ないから!

わたしは悪口言われたって
何されたって
悠を好きな気持ちは

変わんないから。」


ゆかりの友達は唖然としてる。


バカだと思うなら思っていいよ。


重いなら重いって思っていいよ。



でも………


悠だけは譲れない。




「うっさいなーもう。」

わたしの背後にある
下駄箱の方から声がした。


この声は……ゆかり。


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