君じゃないとダメなんだ

「したんかて聞いとんねん!」

ゆかり達は
体をビクッとさせた。

ゆかりの目からは
涙がこぼれた。

「…羨ましかったっ…。
祥子ばっか……
ただムカついて…。
サクが…好きだからっ…」


崩れるように床に座り込んで

泣き出すゆかり。



ゆかり………。

ゆかりの姿を見て

ズキッと心が傷んだ。



好きな人が
自分を見てくれないって
悲しい…よね。


苦しいよね…。


つらいよね……。


わたしも
悠が見てくれなかったら

何してるかわかんない。

ゆかりは
悠に伝えたいんだけど…

不器用なだけだよね…。



「……悪いけど
俺は好きちゃうねん。

あと…
関係ない祥子に
手ぇ出す奴は許さへんから」


はっきりと答えた悠。


こんな時にでも
わたしの心臓は

ドキドキしてる。


最低だ。


「…何でサクはっ…
祥子なのよ…
何でっ!!!」


さらに泣き出すゆかり。


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