君じゃないとダメなんだ

「幸せにするんじゃなかったの?!」


わたしは

力が入らなくて座り込んだ。

茜の言葉に耳をふさいだ。

「…わかってる。
わかってるよ…」

ポタッ―…

「祥子…」

「ゔっ…ひっく…」

心の中のモノが溢れた。

「わかってるの…
でも、失うのが怖い。

悠に話して…
悠が笑わなくなったら。

悠が悲しい顔しか
しなくなったら。

そう考えたら…怖いの。
わたし…

失うのがこんなに
怖いの…初めてなの…

でも…
そうなる前に
別れを告げたいの。」

「何でっ…」

茜の目にも涙がたまってる。

「悠には笑ってほしいの。
それが

わたしの幸せなの。」


「…絶対後悔するよ?
別れたら。」


「うん…でも」

ガチャン…


えっ…?

誰か聞いてた…?


わたしと茜は
目を見合わせてから
扉を見た。


そこに立っていた姿は


わたしが
1番傷付けてはいけない人。











「悠…。」

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