君じゃないとダメなんだ

「あら、目が覚めた?」


若い看護師さんが覗きこむ。

「病院……?」

そして、わたしは
起き上がろうとした…


でも

「いったぁ!!」

頭がズキンズキンする。

腰も動かせない。

足もつったように痛い。


「まだ動いちゃだめよ!!

あなた、階段から落ちちゃって
頭を打っちゃって、
足もくじいちゃったの」

看護師さんは

丁寧に説明をしてくれた。

ボーッとしてたからだ。

何やってんだろ…。

「あっ…そうなんですか…」

確かに頭に包帯みたいな
ものが巻かれてる。

「大丈夫よ。
2.3日後には退院できるから。」

ニッコリと笑ってくれた
看護師さん。

なんだ…良かったぁ。

てか茜は???

「あのっ、
ここまで運んでくれた人は…?」


「え?…あ!
あなたの彼氏さんかな?

あの男の子なら
救急車まで、あなたを
運んできてくれて、
一緒に連れ添って
くれてたんだけど…
授業があるから帰ったと思うわよ。」


男の子???

どーゆーこと?

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