君じゃないとダメなんだ
上手く学校を抜け出して
わたしたちは手ぶらで
茜の家に向かった。
「大ちゃんには言うべきかなぁ…?」
茜には
身が危なくなるかも知れないから
このこと言えちゃうけど
大ちゃんには言っていいのかな?
茜に了承とかいらないかな?
「ぁあ〜…もう伝えてもうた(笑)」
サラッと答えた悠。
「え!早っ!了承とかいらないの!?」
「はっ?!いらんやろ♪
好きな女のことやったら
何でもゆーてほしいもんやろ」
ぁあ…
わたし頼んなかったもんね…(笑)
「祥子が迷惑かけてまうから
言いたくない気持ち
めっちゃわかるけど
オレが逆に頼らんと
黙ってたら嫌やろ?」
「やだやだ!
だって迷惑とか思わないのに
言ってくれなくちゃ
頼られてないのかなとか
色々思っちゃうし…」
思ってることを悠に言うと
悠はわたしを見て笑った。
「え、え?何??」
わたしは悠を見て目をまん丸くした。
「オレもそう思ってんやで?」
…そっかぁ。
悠も同じこと思ってくれてるんだなぁ…。
「なんだか、こゆことって
ホント幸せなことだねぇ(笑)」
悠を見てそう言うと
「せやな。オレも幸せや」
髪の毛をくしゃっとして
照れた表情を見せた。
ホント幸せだな、わたしたち。
これもホンットに茜のおかげ。
絶対に茜だけは守るもん。
それから5分くらい
歩いたところで茜の家が見えてきた。
ん??
茜の家の前に誰かいてる??
「悠…、誰か先にいてない?」
「ホンマやな。誰やろ?
オレあんまし目良くない
から見えへんなぁ…」
わたしもあんまり
視力は良くない方。
まさか犯人?!
歩いていくうちに
近づいていく人影。
……………。
え?あれって………