君じゃないとダメなんだ


「祥子…

茜ね…もうダメなんだよ」

茜は

涙声ながらも
涙の理由を話した。

〜〜〜〜〜〜〜


茜は昨日の夜

大ちゃんの家で
遊んでいた。


なんだかんだして

大ちゃんが晩御飯を
作るから部屋を外した。



部屋を外しているとき

急に
携帯が鳴り響いた。


♪プルルルル プルルルル プルルルル♪


「鳴ってる!

…あれ?
茜じゃない?」


茜の携帯は
何も着信していない。


茜は大ちゃんの携帯だ!

と思って
携帯の画面表示を

ふいに見てしまった。



【ノゾミ】


と画面表示されていて
茜の動きは止まった。

携帯の着信も止まった。



大ちゃんの
仲の良い女友達は
何人か知っている。


でも

“ノゾミ”は知らない。


茜は
今までの不安もあって
さらにいっそう

不安になってしまった。



♪〜♪〜♪


また大ちゃんの携帯
が鳴り響く。


今度は
メール1件受信
と画面表示されている。


不安で不安で
仕方がなくなった
茜は携帯に手をのばす。


“何もなければ安心する”

そう思った茜は

携帯を開く。


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