君じゃないとダメなんだ


「…そっそんなこと
言われたことなくって…

付き合っても
うわっ浮気とかされるし…

すっ、好きとかわかんなくて…」


泣きながら

何喋ってんのか

自分でもわかんない。


「わたしも…悠が初めてっ…」


何がって感じなのに
悠には伝わってくれた。


わたしの涙を

悠の手が拭ってくれた。

抱き締める力を強めた悠。

「…うん。ありがとうな?」


くしゃっと笑う
あの笑顔じゃなくて

ホントに優しい笑顔を

わたしに向けてくれた。






悠…。ホントに好き。



君の寂しかった時間を

わたしが埋めるよ?


君が辛い思いした分

わたしが幸せにしたい。


心の中でそう思ったんだ。


抱き締めるのを

一端緩めた悠と

視線が絡み合う。











「目ぇ…閉じてや?」


悠の言われるがままに

目を閉じるわたし。








悠はわたしの唇に

触れる程度のキスをした。




2人の…初めてのキス。



淡い淡いキスを一回だけした。


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