君じゃないとダメなんだ
♪プルルルル プルルルル プルルルル♪
祥子の携帯が鳴り響いた。
俺は、とっさに
ドアの近くに隠れて
しゃがみこんだ。
「…もしもし?
…うん。茜は?」
泣き声から
一転して甲高い声の祥子。
盗み聞きって
めっちゃ最悪な奴やん…
そう思っても
今動いてもうたら
絶対ばれてまう。
あー。どないしよ。
「今?あ〜…
バイト向かってる!」
は?バイト?
めっちゃ学校なんですが。
「鼻声?
あ〜…風邪引いてんだよ。」
ぶっきらぼうに答える祥子。
泣いてたからだろーが。
茜と仲良いんちゃうんかいな?
何で隠すねんな?
俺は祥子の行動やら言葉に?が飛び交った。