君じゃないとダメなんだ
目の前に立っていたのは
茜ではなかった。
「祥子、サクと付き合ってるってホント?」
この子とは仲が良いと
言えば良い方かも知れない。
よく恋愛とか部活の相談も
受けていたし
メールもよくしてた。
でも、何でここにいるの?
「…ゆかり。何でいんの?」
加藤ゆかり。
うちの高校の軽音部に
所属している。
前々から好きな人がいる。
って聞いていた。
サクとは悠のあだ名だ。
桜井だからサクなんだと思う。
でも…
まさかゆかりが…。
「ゆかり、好きな人の名前まで
言ってないけど…
サクなの。
別れてほしいんだけど。」