俺様プリンセス【BL】
「いや…その……。非ッ常に申し訳無いんだけど、君、どちら様?」


 漸く聞くことが出来た俺は、ぎこちない笑顔をしてるんだろうな。

 ストローを咥えたままの彼は、ただでさえ大きな瞳を更に大きく見開いて、俺の顔を見詰め返してくる。

 ゴクン、と、水を嚥下する音が無駄によく響いた。


「ご、ごめんっ! 昨日のこと、全然憶えてなくて……」


「全然憶えてないくらい飲んでケロッとしてんのか?」


「酒残らない体質みたいで……、ごめん」


 ただただ謝ることしか出来ない俺は、ホントに情けないヤツに成り下がってる。


「……ほんっとーに、何も? 憶えてない?」


 念を押すように聞いてくる彼に、俺は「バーに連れて行かれたトコまでしか憶えてないんだ」としか言えず、項垂れる。

 ちら、と彼を見遣ると、向こうもなんだか困った顔をしている。

 俺、もしかしなくても相当ヤバいことした!?

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