俺様プリンセス【BL】
「女だった方が良かった?」


 ベッドの上にペタンと座り込んだと思えば、両脚の間にペットボトルを挟み、空いた両手で、あろうことかシャツをゆっくり脱ぎ始めた。


「おま…っ、ふざけんなって!」


 半裸状態の彼に慌てて毛布を巻き付けた俺は、無駄に息を切らしながらニヤニヤと笑う彼を睨み付ける。


「こんくらいで怒んなって。短気だなー」


「変なことするそっちが悪い!」


「変って、恭介も俺も男じゃん。あれ? 恭介ってアッチ系だった?」


 言われてみればそうだ。

 俺もこいつも、同じ男に変わりはない。

 実はオンナノコなの。とかいうオチは今さら期待してないし。


「そんな訳ないだろ! つか、いい加減名前くらい教えて欲しいんだけど」


 俺がそう言うと、思い出した、といった風に彼は考え込みだした。


「本当に、憶えてないんだよな?」


 改めて確認されて、俺は、頷く。

 非常に申し訳無いけど、本当に憶えていないもので。


「俺は……」


 少し間を開けてから、彼はニッコリと言った。

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