俺様プリンセス【BL】
「くーろーさーきー」


 間延びした先輩の声が俺を呼んだ。

 我に返った俺は、今がバイト中だったことを思い出す。


「休憩時間終わっただろ。いつまでもそこに突っ立ってんなよ」


 すみません、と一言返して店に出ようとすると、先輩が俺の肩を掴んで止めた。


「お前、今日ずっと惚けてるよな。何かあったか?」

「いえ、別に……」

「別に、って顔はしてないぞ」

「や、ホントに……」

「ヒメちゃんとはどうなったんだよ」


 ニヤリと先輩が笑う。
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