俺様プリンセス【BL】
「あー……、気にすんな。大したことねぇよ」

「大したこと無い訳無いだろ!」


 ヒメの腕を掴んで無理矢理キッチンまで連れて行く。

 冷凍庫から保冷剤を出して、それを突き付けた。


「そんなんいいって。殴られたの昨日だし」

「誰に?」


 自分でもびっくりするくらい、低い声でヒメを問い詰める。


「や、だからさ、俺も殴ったから、お互い様ってヤツで……」

「誰、って聞いてるんだよ」


 俺がどれだけ心配したか、ヒメは分かってない!


 俺の気持ちなんて、考えたこと無いだろ?


 突然現れたお前にどれだけ俺が振り回されているか。


 俺の中をお前がどれだけ占めているか。


 何も、知らないだろ?
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