俺様プリンセス【BL】
「俺は……」

「――ごめん。苛々して、言い過ぎた」


 ヒメの言葉を遮って、俺の胸倉を掴んだままの手をそっと解く。


「恭介……?」


 これ以上ヒメと言い合ってたらキリがない。

 売り言葉に買い言葉で、このままだったら俺は、ヒメに酷いことを言ってしまいそうだ。


「……おかえり」


 小さく言って、ヒメの頭をぐしゃぐしゃと撫でる。

 キッチンに立った俺は、やかんに湯を沸かし始めた。
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