俺様プリンセス【BL】
「堂々巡りじゃないか」
「分かってる……!」
「だったら、朧さんともう一度話して来いよ」
「嫌だ!」
弾けるみたいに声を上げたヒメの顔は、今まで見たこと無いくらい、辛そうに歪んでいる。
「アイツと話をしたら、何もかも……終わりになるんだ……っ! バンドも、俺と朧の、関係も……全部、あの女の所為で……ッ」
俺がヒメのことを思う気持ちなんて、気付いたばかりの、ほんの小さな気持ちだ。
俺の気持ちなんて、この際どうだっていい。
「朧さんと別れたなんて言ってたけど、本当はまだ朧さんの事が好きなんだろ?」
「でもアイツは……俺を裏切った。俺が居るのに……っ、俺に音楽を教えてくれたの、アイツなのに……っ」
俯いたヒメの目から涙が零れて、俺の手の上に落ちる。
じわりと滲むように広がるそれは、紛れもない、ヒメの素直な感情で。
いてもたってもいられなくなった俺は、ヒメの手を引いて、細い肩を抱き寄せた。
俺の肩口に顔を埋めたヒメは、声もなく、涙を流した。
「分かってる……!」
「だったら、朧さんともう一度話して来いよ」
「嫌だ!」
弾けるみたいに声を上げたヒメの顔は、今まで見たこと無いくらい、辛そうに歪んでいる。
「アイツと話をしたら、何もかも……終わりになるんだ……っ! バンドも、俺と朧の、関係も……全部、あの女の所為で……ッ」
俺がヒメのことを思う気持ちなんて、気付いたばかりの、ほんの小さな気持ちだ。
俺の気持ちなんて、この際どうだっていい。
「朧さんと別れたなんて言ってたけど、本当はまだ朧さんの事が好きなんだろ?」
「でもアイツは……俺を裏切った。俺が居るのに……っ、俺に音楽を教えてくれたの、アイツなのに……っ」
俯いたヒメの目から涙が零れて、俺の手の上に落ちる。
じわりと滲むように広がるそれは、紛れもない、ヒメの素直な感情で。
いてもたってもいられなくなった俺は、ヒメの手を引いて、細い肩を抱き寄せた。
俺の肩口に顔を埋めたヒメは、声もなく、涙を流した。