俺様プリンセス【BL】
「キョウスケだ」
「は?」
「ほら、聞き返した」
俺の耳がおかしくないのなら、彼と俺は、同じ名前なのか?
「漢字まで一緒なんだぜ。恭賀新年の『恭』に紹介の『介』で『恭介』すげーよな。だから、恭介は俺のことヒメって呼べよな。それに、俺には『ヒメ』って名前の方が似合ってる」
――自覚してんのかよ!?
「……普通は、女の子みたいで嫌なんじゃないの?」
「それ、昨日も聞いた、って、憶えてねーんだよな」
笑うヒメに、俺は謝ることしか出来なくて。
それでもヒメはもう一度話してくれた。
「バンドやってて、ボーカルなんだけど――」