俺様プリンセス【BL】
 ベッドに入ったのは明け方近くなのに、不思議と、眠気は無い。
 

 アラームが鳴る前に解除して、ベッドから降りようとした時、「恭介」とヒメが俺を呼んだ。


「ごめん、起こしちゃった?」

「や、大丈夫。あのさ……」


 俺に背を向けたままのヒメは、ベッドに横たわったままの姿勢で口ごもる。

 むくりと起き上がって、俺の隣に座った。


「……俺、もう一度朧と話し合ってくる」


 ヒメの決心は固い様で、ちゃんと俺の目を見てそう言った。


「そっか」


 だから俺は、ヒメの決心を邪魔しないように、それだけを口にする。
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