俺様プリンセス【BL】
 事情はさっぱり分からないけど、かなり深刻そうだ。

 バンドのいざこざに俺まで巻き込むな! とか言いたいところだけど。

 それはちょっと大人気ないよな。

 つーか。

 沈黙が、重い。

 俺が何かしたわけでもないのに、罪悪感めいたものを感じてしまう。

 なんだか落ち着かなくて、俺は無理矢理話を振ってみた。


「あのさ、腹減ってない?」


「え?」


「俺、バイトから帰って来たばかりで、夜食作ろうとしてたんだ。良かったら一緒に食べる?」


「いや、でも……」


「遠慮しなくていいよ。メシの匂いがすればヒメだって出てくるかもしれないし」


 いや、今のじゃヒメが卑しん坊みたいだな。


「そうですね」


 え。

 肯定すんのかよ!?


「お言葉に甘えて、お願いします」
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