俺様プリンセス【BL】
 幸いにも、俺も彼…女(であって欲しい)も、服は着てる。

 でも、一緒のベッドで寝ちゃってる……。


 ――一体、誰なんだ、この人。


 悩んでいても仕方ない。

 冷静になって考えて見れば、隣のこの人ならなんで俺と一緒に居るのか憶えてるかもしれないんだ。

 とはいえ、起こすのは何だか躊躇われる。

 躊躇った挙げ句、いつまでもこうしてる訳にもいかず……。


 ――取り敢えず、起きよう。


 顔を洗って、浮わついたアタマを冷やそう。

 起き上がろうとして腕に力を入れると、ギッ、っとベッドが軋んだ。

 腰掛けたまま一息吐くのと同時に、背後から声が――。


「……もぅ、朝…?」


「――……っ!?」


 聞こえてきたのは、少し嗄れた男の声だった。

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