君の笑顔
卒業式
無事、受験にも受かり、
ついにこの中学校を卒業できる!
なーんて、浮かれていたら、
この日はついてなかった。
今まで仲良かったと思っていた男子、愁には告られ、
卒業式が終わって帰っていると、彼氏の浮気現場を目撃。
しかも、そのあげく、相手の女の子のが好きだから、と振られ……
「こんなあたしの人生、どうよ?」
只今、卒業式を終えた後悲惨な目に合ったあたしと、先週彼氏ができて幸せ者の親友とマックで語っています。
「そんなの今日だけだって、大丈夫」
「これから高校生になるっていうのに、あたし大丈夫かなぁ」
「大丈夫、高校でも私と一緒なんだから、安心しなさい」
涙目のあたしの肩に手を置いて、あたしを一生懸命に説得する親友。
「彼氏…欲しい…」
「…高校入れば、いい人見つかるって!」
なんだ、最初の間は。
「はぁ…もういいや。あたし今日は帰るね」
「あ、うん。気をつけてね」
「うん。今日はありがとう」
親友と別れてから道を歩いていると、不意に涙が出てきた。
「うっ…ぐっ…」
どうしてあたしはこんなについてないんだろう…。
−ドンッ
人がたくさん行き通う中、泣きながらトボトボ歩いているあたしは、誰かとぶつかった。
「ったぁー…」
「ってぇー…」
ヤバイ、どうしよう!
相手男じゃん!
ほら、あたしやっぱりついてない。
ってか、早く謝らないと!
「あのっ、すいま「大丈夫?ゴメンね」
え…。
謝ろうとしたあたしの言葉を遮って、先に謝られてしまった。
少しビックリして顔を上げると…
そこにはビックリするほど綺麗な顔をした男の人が立っていた。
多分、あたしと同い年くらいだと思う。
「どうしたの…?」
「へっ?」
「泣いてるよ?ゴメン、そんなに痛かった?」