大陸の冒険 アダナレロと天空の島
「いいな!望むところだ!」
僕の必死のお願いも聞かないまま、勝手に行ってしまった。この先何かなければ問題ないけどもしもの事があったら、どうしようと心配するしかなかった。
「大丈夫ですか?村長?」
「さあ、二人は以外と仲が悪かったからな。」
と、以外と不安そうに答える村長。
「え?二人は仲良しの関係!?」
僕は驚く。
「まあ、小さい時までの事じゃ。今はケンカ・ライバル関係になってしまったんじゃ。」
ライバル関係に…。
そう言えば僕にはライバルなどいない。いてもただの自分を熱く燃やすため。ただ仲良くなれない存在にしか僕は思えない。
と、今まで思っていた。だけど二人を見て思った。ライバルは大切な物なんだと……。
「二人は仲良くなろうとはしないの?」
「みたいじゃな。」
村長はガックリと頭を下げてため息をつく。なんだか村長がかわいそうに思えてきたのはなぜだろう。
「別にいいんじゃ。ワシは気にしなくても。」
そう言いながら僕たちは二人が行かなかった道を行くことにした。
ゆっくりと扉を開く。すると中は巨大な迷路になっていた。僕たち三人はただ迷路を見ているばかり。
そっと前へ一歩一歩進んでいく。
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