大陸の冒険 アダナレロと天空の島

取り出してみた。星クズのように輝き始めたのだ。それをみんなで見つめていた。
『きれい』
誰かが言った。しかもいくつかに聞こえた。みんな同じなのだ。思っていることが、
「そうだ！これを」
光だしたのはこの前におばあちゃんから貴重にもらった数枚の札の一枚だった。名前は“ランタ”。『ン』をつければランタンになる。もしかしたら、灯(あか)りを灯(とも)すのにいいと考えたのだ。
「ランタ！」
僕は呪文を言った。
すると札からランタンが出てきた。しかも人数分も出てきたから、一人ずつ持つ事にした。
「きれいね。このランタン。」
「星クズだ。星クズの光がロウソクの代わりをしている。」
「こんなのは産まれて初めてじゃ。」
「本当だ。これは貴重なランタンみたいだ。」
みんなは宝よりも貴重なランタンに注目している。
「あのさ、宝はどうするの？」
僕は話を元の話題に直した。するとみんなは走り出し宝箱の所でまた争いを始めた。
僕は黙って見ていた。何も声をかけることが出来ない。みんな必死だから、逆に邪魔しちゃいけないという気持がだんだん強くなり、声をかけることが難しくなっていくのだ。
「わたしが先！」
「俺だよ！」