大陸の冒険 アダナレロと天空の島
「どんな噂なんだ?」
ビートズさんが言った。
噂は広まるのが早い。人から人へと伝わっていく。
「あれは、遠い昔の話だそうです。――ある農業家の夫婦が近くの神社に興味を持ったらしいんです。」
セイミさんはその噂を話始めた。
「雷がやまないある雨の日、その神社の蔵屋(くらやね)に宝石みたいな丸い白玉(はくぎょく)が置かれていたのです。」
「蔵屋?」
僕はセイミさんに聞いた。
するとセイミさんのかわりにリームさんが教えてくれた。
「小さい家の事。倉みたいな倉庫ね。」
よく神社や寺院に見かける屋根つきの倉だ。小さくてお札や、正月にもらう木札をしまっておくものみたいな物だ。
「そして、勝手にその白玉を掴み、外そうとしたらしいの。」
「勝手に。」
誰かと思ったがお父さんだった。
「そしたら電竜が暴れ出したのね。」
リームさんが今までの話を整理して言った。
「違うらしいんです。」
「違うって何が?」
「最近分かった解析に寄ると、その電竜が世界を滅ぼすだけではなく、その勝手にずらしたものは殺されたそうなの。」
「そんな解析に進んでいたなんて。」
リームさんもちょっと驚いていた。
しかし、電竜が本当にこの世界に
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