大陸の冒険 アダナレロと天空の島
「え?」
僕たち全員は一緒に驚いた。
「どういう事だよ。つまり、自然の島には本当は自然なんてなかったんだな。」
ビートズさんがそのあと言った。
「ええ。元々一面砂漠だったみたいよ。」
「でも、何で?」
僕はセイミさんの後に続けて言った。
「分からないの。ただ寺院の人からの命令に従っているらしいの。しかも、おどされて。」
セイミさんが言うと、村長が
「もしかしたら、寺院にいるはずのアイツに何かあったようじゃな。」
「何かって?」
僕は言った。
「何かじゃ。」
村長が言った。
情報を集めていけば、気になることばかりだ。僕達は急いで町外れにある寺院を目指すことにした。寺院は町外れといいながらとても遠く、歩いてもすぐには着かない距離だった。僕たちはもう何分歩いただろう。数十分はたったと思う。
すると、森と森との間に寺院と見られる建物を見つけた。
「やっと着いたわ。もうどのくらい歩いたのかしら。」
最初にたどり着いたのは、リームさんだった。意外と足が速く、みんなをどんどん引き離していた。誰よりも「はやく!日が暮れちゃうよ!」なんて言葉を言ったのは彼女だけだった。
「そういえば、どんな寺院なの?名前とか、村長は言ってなかったから。」
セイミさんが言って、その後にビートズさんが、
「村長!一体どんな名前なんだよ!・・・あれ?」
村長はいなかった。僕は一番最後だったけれど、村長には一つも後ろを振り向かなかった。
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