大陸の冒険 アダナレロと天空の島

もしも、あれに噛まれたら、死ぬ前に、ズタズタにされてしまう。
もう、やるしかない。そう思ったのか、
「まずは俺の剣裁きを見ろ！」
そう言って、前へと進みだすビートズさん。
しかし、あのモンスターは、飛んだ。ゆっくりだけど。ビートズさんは目をつぶっていた。剣をブンブン振り回しながら。
「もう‥‥、私が行くね。」
セイミさんが肩を落としながら、あの杖を地面に突き刺す感じで置くと、呪文を唱え始めた。
「バイヤーボール！！」
魔法の名前を言い終わると、巨大な炎の玉が、勢いよくモンスターのところへ向かっていく。でも、モンスターは空を飛んだままだ。
「もしかしたら、モンスターはよけるんじゃ。」
僕は不安そうに言った。
「大丈夫！心配しないで。」
セイミさんはもう、避けられないとでも思っているかのように、自信満々の顔をしている。
「交わせ！」
大黒軍団がモンスターに命令をすると、モンスターもすばやく交わし始める。
「やっぱりだめだよ！空も飛べるモンスター。きっとすばやさだって…。え？」
僕は驚いた。だってモンスターが交わし始めたとき、魔法は追跡ミサイルのように追いかけてきた。