大陸の冒険 アダナレロと天空の島

「だったら泊まるのをやめるか？」
「全然。そんな感じで言ったつもりはなかったんです。」
僕は慌てて村長にそう言った。
「それじゃあ、泊まる場所はここでいいんじゃな。」
「泊まればいいっか。」
気が晴れたように気分を変えた。

―─―夜
月が少し欠けている。星もたくさん輝いている真下、正俊が泊まっている宿屋を静かに照らしている。
「……………。」
「！。正俊君。」
リームさんは小声で僕に話しかけてきた。
「リームさん。」
「眠れないの？」
「うん。」
「分かるなその気持。」
「え？」
「あたしもね、小さいころ寝つけなくてお母さんに甘えたことがあったの。」
「以外！…あ、ゴメン。」
「いいの。謝らなくて。それでね─―。」


小さい頃のリームさん。泣いている。
「どうしたの？リーム。」
泣きながら言う。
「きれいな花が枯れちゃったの。」
「そう。でも大丈夫よ。花はね枯れてもお水をあげれば、また咲いてくれるのよ。」
「本当？またきれいなお花を見ることが出来るんだね。」
「ええ。」


─―─―
「リームさん？リームさん！」
僕は呼び掛ける
「え！」
昔の過去を思い出していたリームさん。きっと亡くなったお母さんの事を思い出していたに違いないと。