大陸の冒険 アダナレロと天空の島
そしたら、ある町の人に話しかけられた。
「お前はこの世界の人間じゃないの。」
お婆ちゃんだ。とても若そうで元気な人みたいだ。
「そうだよ。人間の世界から来たんだ。」
僕がそう言うとお婆ちゃんは悲しそうな顔で僕に
「確か私の所にも人間の世界から来た人がいたな。」
僕はそのことに驚いた。
「えっ!本当!?」
「ああ。確か君ぐらいな男の子が私にある場所の行き方を教えてくれってね。」
「ある場所?それは最近…いや、今の事?」
僕は聞いてみた。本当はお婆ちゃんに聞いても記憶は抜けてしまうのが年寄り。でも僕は年寄りを馬鹿にはしたくなかった。だって人は精細な心を持っている人もいるから。
「いや、随分(ずいぶん)後の方じゃったな。まだ大国軍団が騒だしてはいない頃。」
僕はそれを聞いてお父さんではないことが分かった。だってお父さんがこの世界に来たときには、大国軍団はいた。つまりそれよりも前の人?あれ?いたかなそんな人?僕は考えてみた。だって村長とリームさんはこの世界で生まれた。だから二人じゃない。となると誰なんだろう?
「時間あるかね?」
お婆ちゃんが言った。
「自由行動なのであと三時間はあります。」
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