恋愛ごっこ
いきなり。

紘翔が私の首に腕をまわしてきて、座りこんだ紘翔に引き寄せられた。

「なっ…何!?」

「別にいいだろ。マジで付き合ってんだから」

だからって何でこんないきなり積極的になったわけ!?

手の力強くてとれないし。

……しょうがない。

講堂のほうから綺麗なゆったりとしたテンポの音楽が流れてきた。

「………」

眠い……。

睡眠不足でもさっきまで眠かったわけでもないのに、その音楽を聴いてたら異様に眠くなって、視界が閉じた。

紘翔の手の温もりを感じながら。
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