恋愛ごっこ
立ち上がった私たちは、指示された通りの場所に着いた。
大きな倉庫。
探しがいがありそうな……
ていうか、
「何探すの…?」
一番肝心なこと聞くの忘れてた…。
「知らねぇ」
倉庫内にはもちろん、倉庫の周りには人一人いない。
だから私たちの気も緩んで口調がいつの間にか元に戻ってた。
しょうがない…
なんか適当に探そう~…
私たちはそれぞれ倉庫の中を探る。
もちろん会話なんてほとんど…ていうか、全くない。
家にいる時みたいに。
だって私たちは敵同士。仲良くする必要なんてない。