恋愛ごっこ
私がキッチンでハンバーグを作ってる間。伊織は隣に立ってずっと私を見てる。

「……伊織。見すぎ」

いくらなんでも…見すぎでしょう。

気が散るくらい。


「別にいいじゃない。減るもんじゃないし」

「……。もう終わるから、紘翔呼んできて」

もうすぐ終わるのは本当。

「分かったわ」


伊織がキッチンから出てって、私はまず一息、息を吐きだした。

いくら伊織だからってあんなに見られてたら力が入る。


その後にハンバーグを焼いて盛り付け。


そのすぐ後に伊織が紘翔をつれて部屋に入ってきた。

この家の中で一番大きいリビング。

いつもより多い人数…って言っても三人だけど、それでも寂しいリビング。


いつもは……こんな部屋に紘翔一人なんだ……

ふとそんなことを思った。
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