恋愛ごっこ
その会話をしてから、次の日曜日が来た。
私と紘翔は家にいた。
昼過ぎくらいに、家に鳴り響いたインターホン。
「天凪っ」
入ってきたのは伊織。
……と一人の男の人。
「約束通り連れてきたわよっ!」
じゃぁ……この人が…、彼氏?
「まぁ、とりあえず…上がって」
リビングに行ったら紘翔もいて、伊織と一緒に入ってきた男の人を見て固まってた。
まぁ…伊織だし。気持ちはよく分かるんだけど。
だって、今まで何回も婚約話とかお見合いとかをことごとく断ってきた伊織だし。
お茶を出して、私もソファに腰を下ろした。
もちろん伊織の話を聞くために。
「この人が私の彼氏」
「はじめまして。佐伯遠矢-サエキ トウヤ-です」