恋愛ごっこ
……たまには紘翔と別々にでも帰ってみようかな。

どうせ婚約は決まってるし、今のうちしか恋愛とかは出来ないわけだから。

今くらい好きにしたい……よね。紘翔も。

「紘翔さ…好きな人とかいないの?」

「…は…?」

夕食のときに言ってみた。

おもいっきり、変な顔されたけど。

「今のうちだけだし、好きな人とかいるなら恋愛してもいいし遊んでもいいから。私の所為でとか言われても困るしね」

言うだけ言って私は食べ終わった食器を片づけて部屋に戻った。

だって、紘翔がほかの女と一緒にいるところ見たくない。

なんでか分かんないけど、嫌。

だから婚約者から離れられれば、きっとこの気持ちもなくなるよね?

こんなにモヤモヤしなくなる。

紘翔が隣にいるのが当然になってきてるのは、自分でも分かってる。

だから、離れればこの気持ちも無くなる。

きっと一緒にいる時間が長すぎた所為。

だからこんな風に…思うし、考える。

しばらく離れてみれば、この気持ちもきっと…無くなる…ハズ……。
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