恋愛ごっこ
その時私の眼に映ってたのは、走って駆け寄ってくる伊織と紘翔。

「大丈夫か??」

警察の人の声なんてほとんど頭には入ってこなかったけど、咲煌寺天凪として何か言葉を言った気がする。


「天凪!!」


警察の人の声なんてほとんど頭に入ってないのに、伊織と紘翔の声だけははっきり聞こえた。

特に紘翔の声は聞き逃したりなんてしなかった。

「大丈夫か!?」

紘翔が私の心配してる……。

こんな……めったに出さない大声だして……。

半分素がでてるよ。

「心配したんだからっ!」

伊織も……抱きついてこなくても……。

別に誘拐って言っても、普通に…楽しいくらいだったから心配なんていらなかった。

でもクロたちの為にも、私は言うべきじゃない。
< 86 / 121 >

この作品をシェア

pagetop