恋愛ごっこ
「おはよう伊織」

教室に入ってすぐに話しかけたのは伊織。

何も聞いてこなかった伊織には感謝してる。

「天凪……大丈夫なの…?」

「うん。大丈夫」

「そう……」

伊織は今日もそれ以上は何も言わなかった。


そのあとクラスでは文化祭の話が上がって、一日ほとんど文化祭関係のことをして終わった。

帰り道もいろんな人に話しかけられて、全部に適当に返事を返しながら一人で車に乗った。


文化祭は明後日。

紘翔も伊織も何も言ってこない。

言われても困るけど。

でもずっと紘翔と一緒にいないのは周りに変な誤解を与えることになるから…。


私は咲煌寺天凪。

紘翔と私は婚約者。
< 98 / 121 >

この作品をシェア

pagetop