電界妖怪 〜マカフシギ〜 ①
「そう言えば、デンタは私の事知っていたって言ってたよね。それってどういう事なの。教えて!」
「そんなの簡単だよ。だって、電脳犬がお前を選んだ訳じゃない。お前の事を覚えていたからもう一度会いたいという願いでそばに行ったんだ。」
健太郎君が言った。
「あのね、電界を知っているなら、こういうのも知っていなくちゃいけないけど。電界妖怪は記憶というものはあるけど、3年以上離れると、記憶は忘れるの。そういうプログラム―――。設定がされているの。」
智美ちゃんが言った。デンタはあの時に出来たヒビを割って、抜け出してきた。そして、私のところへ。私はデンタの事を迎え、両手で抱き抱える。そして、私はデンタの体をなでる。でも、フワフワやサラサラといった感触はしない。ザラザラという電界特有のさわり心地だ。
「でも、私の記憶がないのも確かかも。だって、小さいころなんて覚えてないし」そう私が言うと、咲恵子さんが
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