電界妖怪 〜ﾏｶﾌｼｷﾞ〜 ①

「ダメか。」
健輔が言った。
「どうするんだよ。これじゃ、先回りした意味がねえ！」
宏泰が言った。その時、
「残念だったな。」
健輔達の後ろから聞きなれた声がした。
「誰だ！」
健輔が言った。
「俺だ。」
それは健太だった。
「何でここに？だってレーダーマップを見て先回りしたはずなのに。」
忠が言った。
「うん？忠。よく見てみろ！この印一歩も動いてないぞ。」
武志が言った。
「そうさ。俺は分身でお前らのレーダーマップにかからないようにしたのさ。」
「クソ！完全にこっちが罠にハマったか。」
健輔が言った。
「勝負をしないか？」
「勝負！？」
「お前が勝ったら俺は“あれ”を諦める。しかし、俺が勝ったら、“あれ”を諦めてもらう。」
「いいじゃねえか。のってやるよ！」
「ちょっと健輔！お前な。こんな町中でやったら捕まるぞ！」
宏泰が言った。
「え？」
「法律第２３条３項違反で逮捕だぞ。」
「なに〜！」
健輔が武志に言われて驚く。