電界妖怪 〜ﾏｶﾌｼｷﾞ〜 ①

「なんで公園に自動販売機が置いてあるの？」
「なんでって普通だよ。‥‥あっ。そっか。梅林町って田舎なんだっけ。だったら驚くにも無理あるか。」
「どんな公園にもあるんだ。普通に。」
「そう。多分無い公園なんて１つもないよ。それにちなんで自動販売機の中身は少しだけ違ってるの。でも、最近公園が無くなって子供たちが困っているんだよね。」
「そうなんだ。そうだ！夏休み、遊びにくる？梅林町に。まあ田舎だから何にも無いけど。」
「別に。っていうか行きたい！大自然なんて全く経験無いから逆に嬉しい！」
智美ちゃんの目が変わった。キラキラしている。多分めったに見ることがなさそうな輝きのある目だった。


「夏休みよりもすぐに行きたい！」
すると私は言いにくそうに答えた。
「実は梅林町行きの電車は夏休みにならないと走らないんだ。」
「そうなの？」
「もしかしたらもうすぐで電車が走らなくなるかも。って噂も聞いたし。」